税務調査の事前対策-消費税調査

消費税調査

消費税の調査は通常、法人税や所得税の調査と同時に行われます。
ただし、法人税の申告が赤字の法人や、消費税の還付申告をした法人などは、消費税の単独調査が行われる場合があります。

税務調査のポイントと事前対策は以下のとおりです。

(1) 売上と経費の相殺処理

例えば売上である手数料が振込まれる際に、広告宣伝費や消耗品などの諸経費が相殺される場合において、入金額をもって売上計上している場合には、チェックされます。特に、簡易課税制度の適用事業者(2年前の課税売上高が5,000万円以下)は注意が必要です。

消費税法における課税売上高の意味と仕入税額控除の適用要件を理解しておくことが大切です。

(2) 不動産の譲渡

不動産を譲渡した場合、建物部分については消費税の課税取引となるため、課税対象としているかを調査します。また、土地部分については非課税取引となり、課税売上割合の計算に含めているかもチェックします。

不動産譲渡は取引金額が大きいため消費税に与える影響も大きくなります。建物の譲渡は、消費税の課税対象となることを認識しておく必要があります。

(3) 給与と請負

表面上は契約により請負を装い、実際は雇用と同じように指揮命令により労働させている場合、偽装請負として給与と認定されます。給与と認定されてしまうと、消費税の仕入税額控除が認められないほか、源泉所得税の徴収漏れにまで話が及びます。

従業員に給与と報酬の支払いをしている場合などは、その理由を説明できるようにしておきます。

(4) 交際費、福利厚生費、保険料、支払手数料など

これらの科目には、課税取引と課税対象外(非課税)取引が混在しているため、適正に区分がなされているか調査します。

香典、祝い金、保険料、クレジット手数料などは、消費税の課税対象外(非課税)取引であることを理解しておく必要があります。